第2回勉強会
海外体験談「国際交流基金専門家の仕事~スリランカ・インド編~」
講師:和田衣世氏
日時:10月14日(金)18:30~20:30(受付18:00~)
会場:エルプラザ(札幌市北区北8西3)4F中研修室
参加者数:会員21名、非会員6名
今回の講師はスリランカに2年、インドに3年国際交流基金の専門家として行かれていた和田先生でした。前半は,現地でのお仕事の大変さ,難しさ,そして面白さについて実際の貴重なご経験を交えながらお話していただきました。スリランカとインドの教育システムの違いや,学生さんの日本語学習の目的の違いなど,2カ国で専門家経験のある先生ならではの,とても興味深いお話もうかがえました。後半は,座談会形式で,和田先生をはじめとした海外経験のある他の参加者からも海外でのお仕事について意見をうかがいました。とても有意義な時間となりました。恒例となっている海外体験談ですが,「専門家シリーズ」として今後も継続していきたい企画となりました。 (研修事業担当 山本真理)
【アンケート】
アンケート(回収8枚) 会員種別:ネットワーク会員4 非会員4
日本語教育歴:未経験4名 3年未満1名 3~5年3名 6年以上0名
年齢:20~29 3名 30~39 2名 40~49 0名 50~59 3名 60~ 0名
所属機関:ボランティア1名 無回答7名
【1】.今回の研修会はいかがでしたか。
・専門家の実情が聞けて、大変役立った。つらいことや大変なことは普段あまり聞けないので。
・基金の専門家には以前から興味があったので、とてもよかったです。現地での活動の様子を一つ一つ細かく聞きたかったです。
・楽しかったです。内容が豊富で充実していました。ありがとうございました。(同意見2名)
【2】.今後、どのような研修会をご希望になりますか。
・また他の国で日本語を教えた人の体験談をお聞きしたいです。
・シュミレーションをやってほしい。実際現場にいてどのように指導しているのか等。
・指導助手のお話も聞いてみたいです。海外で現地採用されていた方や、他の公的機関から派遣された方の話も聞きたいです。
・海外で働いている先生の話をもっと色々聞きたいです。国内の日本語学校の話も聞きたいです。
・教え方のコツを教えてほしいです。
【3】.その他、研修会・勉強会・ワークショップについてご意見・ご希望等
・研修会案内をHPだけでなくメールでも流して頂けたら、見逃さずに済むと思います。
【感想文】 国際交流基金専門家のお話を聞いて 西尾 理恵子
今回、初めて、北海道日本語教師ネットワークの勉強会に参加いたしました。私自身は今まで ベトナムとマレーシアでの日本語教育の経験があるのですが、その経験から、国によって日本語学習者の層や、学習者の目標とする所が違うことを知り、「他の国ではどのような日本語教育が行われているのだろう」と興味を持ったことが、この勉強会に参加したきっかけでした。
期待通り、スリランカとインドで専門家をされていた和田衣世先生のお話は非常に興味深かったです。和田先生のお話によると、スリランカでは日本語がAレベル試験の選択科目となっているため、学習者は中等教育の学生が主で、彼らは試験のために、日本人学生がセンター試験のために受験勉強をするのと同じように、受験科目として日本語を勉強するとのことでした。それに対し、インドでは、日本語を主に勉強するというよりは、例えばエンジニアが仕事のためにプラスのスキルとして日本語を勉強するというような学習者が多く、彼らの間では日本語能力試験が非常に重要視されているとのことでした。また、この他にも、スリランカでは日本語がAレベル試験の選択科目となっている背景から、意外にも日本語学習者が多いことや、インドでは優秀な人はエンジニアになるというレールが敷かれている為、語学を専門にする人は「それ以外の人」であること、また、国際交流基金専門家のお仕事のウラ話もお聞きすることができました。
今回の勉強会の最後には、皆さんで机を囲み、その中で、勉強会に参加をしていた方が以前に赴任をしていた国での日本語教育の状況も知ることができ、それも面白かったです。現在、私は日本語教育とは離れた生活をしていますが、皆さんのお話を聞くと、日本語教育に携わりたいという気持ちが湧き、また次回このような機会があれば、ぜひ参加をしたいと思いました。
以上